Emocute Studio 使い方
初めての方にも分かるように、入れ方から1曲目、Suno への渡し方、困った時の直し方まで順に説明します。ターミナル(文字でパソコンを動かす画面)に慣れていなくても進められます。
選んだパソコンと AI に合わせて、関係する手順だけを表示しています。
1これは何か
Emocute Studio は、AI に話しかけるだけで、Suno で作る曲のコード進行を思いどおりにするための道具です。
- 「切ない感じの lofi で」と話しかける
- AI がコード進行を組み、確認用の MP3 と、Suno に貼る文章を出す
- その MP3 と文章を Suno に渡す
- 狙ったコード進行のまま、Suno が曲にする
コード理論は知らなくて大丈夫です。分かる方は、使いたいコードをそのまま指定することもできます。
単体のアプリではありません。ダウンロードしたフォルダを AI(Claude Code か Codex)に開かせて使います。
MIDI 単体版をお使いの方は、Suno に関わる所(MP3・Suno に渡す・Style)は使いません。書き出した MIDI を DAW で鳴らしてください。
2用意するもの
- パソコン
- Mac または Windows
- AI(どちらか1つ)
- Claude Code(Claude の有料プラン)、または Codex(ChatGPT の有料プラン・Plus で動作確認済み)
- Suno
- Pro または Premier プランを推奨(MP3 を Suno に上げる「Upload Audio」を使うため)
- インターネット
- 最初の準備(約206MB の音源の取得など)とアップデートの時に使います
Python などの細かい部品は、最初に AI が入れます。ご自身で揃える必要はありません。
3はじめる(3ステップ)
初めての方は、この順番どおりに進めてください。
1. AI を入れる
「ターミナル」を開きます(Launchpad で「ターミナル」と検索)。次の1行を貼って Enter を押します。
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash入ったら、一度ターミナルを閉じて開き直し、claude と打って Enter。初回はブラウザが開くので、Claude のアカウントでログインします。
2. ZIP を展開し、そのフォルダで AI を起動する
購入後、emocutelab.com のライブラリから ZIP をダウンロードして展開します。日本語版は、名前が _en で終わらない方のフォルダです。置き場所はどこでも構いません。
- ターミナルで
cdと打ち、続けて半角スペースを1つ入れる(Enter はまだ押さない) - 展開したフォルダを、ターミナルの窓へドラッグして離す(フォルダの場所が自動で入ります)
- Enter を押す
開いた画面で、次を打って Enter を押します。
claude初めてそのフォルダで開くと「このフォルダで作業させてよいか」を訊かれるので、許可します。
必ず展開したフォルダの中で起動してください。 別の場所で起動すると、AI が Emocute Studio の決まりごとを読み込めません。
3. 「準備して」と話しかける
準備して
残りの部品(Python の部品・FluidSynth・ffmpeg・音源)を、AI が1つずつ入れます。パスワードの入力やインストーラーの画面など、AI が押せない所だけ声をかけてくるので、その時だけ手を動かしてください。
「準備できました」と返ってきたら完了です。そのまま作りたい曲の雰囲気を伝えれば始まります。
準備の途中で .venv(このフォルダ専用の部品置き場)を作った場合は、次からは起動の前に毎回 source .venv/bin/activate を打ちます。必要な時は AI がそう伝えます。
4最初の1曲を作る
起動した画面で、作りたい曲の雰囲気を一言伝えるだけです。
気持ちよくて驚きのある曲をいくつか提案して
- AI がいくつか案を出します(ジャンル・雰囲気・コードの方向性つき)。
- 気に入った番号を答えます(例:
2)。 - AI が8行以内の下書き(ラフ)を見せて止まります。よければ「それで」、違えば違う所を伝えます。
- ラフが通ると、歌詞・MP3・Suno 用の文章まで一気に作ります。
具体的に頼むこともできます。
footworkで1曲作って。キーFm、BPM160。
「おまかせで最後まで」と言えば、ラフの確認を飛ばして最後まで作ります。
できあがる物
展開したフォルダの中の renders フォルダに、次の3つが出ます。
- 確認用の MP3
- コード進行を鍵盤とパッドだけで鳴らした音です。これを Suno に渡します(「下敷き」と呼びます)
- プロンプトの HTML
- ブラウザで開くと、Suno に貼る Style・Exclude・歌詞・設定値が並んでいます
- MIDI
- パートごとの
.midです。DAW で鳴らしたい時に使います(使わなくても困りません)
5Suno に渡す
ここがいちばん大事です。Suno はコード名を文字で読みません。 Style や歌詞の欄に「Fmaj9 - E7 - Am9」と書いても無視され、ありがちなコードで作られます。コード進行が Suno に届くのは、確認用の MP3 を「音として」渡した時だけです。
rendersの MP3 を聴き、コード進行に納得できるか確かめる(直したい所は AI に伝える=下の「頼み方の例」)- プロンプトの HTML をブラウザで開く
- Suno の作曲画面で、MP3 をアップロードする(Upload Audio)
- HTML の Style・Exclude・歌詞を、Suno の同じ名前の欄にそれぞれ貼る
- 下の表のとおりに設定して、生成する
- 何本か作って、いちばん良いものを残す
Suno の設定
- Model
- v6
- Audio Influence
- 80 前後(上げた MP3 にどれだけ従うか)
- Weirdness
- 80
- Style Influence
- 80〜100
- Variety
- Off(More Options の中。Normal のままだと Suno が Style を書き換えます)
外れが続く時は、Style の言葉をいじる前に、MP3 の進行そのものを聴き直すのが近道です。それでも合わない時は、Audio Influence を下げてください。Suno が MP3 をゆるく参考にして、残りを埋めます。
6頼み方の例
そのままコピーし、言葉を書き換えて使えます。ざっくりした言葉でも曲になります。
雰囲気で頼む
切ない感じのlofiで
Aメロは暗く、サビで開ける曲にして
コード進行にこだわる
Fマイナー・84 BPM・1小節1コードで、8コードの進行を設計して。なめらかな声部進行で、裏コードを1つ入れて。最後は解決させて。
「8コード以上」「リハーモナイズの技を1〜2個」「最後は解決」の3つを頼むと、ありがちな4コードの繰り返しから抜けやすくなります。
使いたいコードを渡す
このコードを1小節1つで使って: Dbmaj9 - C7(b9) - Fm9 - Ebm9 - Ab13 - Dbmaj7#11 - Gm7b5 - C7alt
和音の積み方とつなぎ方は、Emocute Studio が整えます。
聴いて直す
5つ目のコードが浮いてる。6つ目にもっとなめらかにつながるコードに差し替えて
全体的に明るすぎる。動きはそのままで、3〜4小節目をもっと暗い響きにして
「何小節目」「何個目のコード」のように、場所をはっきり言うのがコツです。
手持ちの曲を参考にする
reference.mp3 を解析して Suno コマンドを出して
キーと BPM の目安、音の明るさ、Suno 用の言葉を出します。コード進行の読み取りはしません。参考にする MP3 は、展開したフォルダの中に置いてください。
Suno から返ってきた曲を調べる
suno_returned.wav を分離・解析して
ボーカル・ドラム・ベース・その他の4つに分け、音の状態を調べます。初回は追加の部品が要るので、AI に「入れて」と頼んでください。
歌詞の批評をもらう
この歌詞を別の AI に批評させて
書いた AI とは別の AI が、フックの強さなど6つの観点で採点し、弱い行と直し方を返します。頼んだ時だけ動きます。
7チャットの切り方と使う量
AI は会話が長くなるほど、1回のやり取りで使う量が増えます。
- 1曲は1つのチャットで作るのが基本です。ラフが通ったら、最後まで一気に作らせてください。
- 作り直しが何度も続いて会話が長くなったら、新しいチャットに移ります。
- 移る前に「引き継ぎを書いて」と頼み、新しいチャットでそのファイルを読ませれば、続きから始められます。
新しいチャットは、ターミナルの窓を閉じ、「はじめる」の手順2のとおり起動し直せば始まります。
Claude Code では、使った量が Claude のプランの利用枠から減ります。
8アップデート
新しい版が出ると、起動した時に AI が1行で知らせます。
アップデートして
最新版が、今のフォルダの隣に新しいフォルダとして展開されます。今のフォルダは書き換わりません。終わったら、新しいフォルダで AI を起動し直してください。音源は新しいフォルダへ自動で写るので、取り直しは要りません。
初めてのアップデートだけ: 鍵を登録する
- emocutelab.com にログインし、ライブラリの Emocute Studio で「自動アップデート用の鍵を表示」を押す
- ご自身のターミナルで展開したフォルダに入り(「はじめる」の手順2と同じ)、下の1行を打つ
- 鍵を貼って Enter を押す(鍵は画面に表示されません)
- AI に、もう一度「アップデートして」と伝える
python3 tools/self_update.py --set-key鍵は AI との会話に貼らないでください。他の人にも渡さないでください。
v8 系をお持ちの方は、アップデートを何度でも無償で受け取れます。
9困った時
まずは、出た画面のまま AI に「どうすればいい?」と訊いてください。たいていは AI が直します。それでも進まない時は、当てはまる症状を開いてください。
claude(または codex)と打っても「見つからない」と出る
AI がまだ入っていないか、入れた後にターミナルを開き直していません。ターミナルを一度閉じて開き直し、もう一度打ってください。それでも出る時は「はじめる」の手順1をやり直します。
AI が Emocute Studio のことを知らないように振る舞う
展開したフォルダの外で起動しています。「はじめる」の手順2のとおり、フォルダの中で起動し直してください。
MP3 ができない
FluidSynth か ffmpeg が入っていません。AI にもう一度「準備して」と伝えてください。WAV まではできて MP3 だけ出ない時は、ffmpeg の方です。
「音源が取れない」(missing_soundfont)と出る
最初の音源の取得(約206MB)には通信が要ります。インターネットにつながっているか確かめ、Codex なら通信を許可してから、もう一度頼んでください。途中で切れたファイルは、次に自動で取り直します。
Mac で externally-managed-environment と出て止まる
Homebrew の Python を使っている時に出ます。AI に「.venv を作って入れて」と頼んでください。以後は、起動の前に毎回 source .venv/bin/activate を打ちます。
部品は入れたのに、まだエラーが出る
パソコンに Python が複数あり、別の方に入った可能性があります。AI に「python3 -m pip で入れ直して」と頼んでください(Windows は python -m pip)。
Codex で「通信が止められた」と出る
Codex が安全のために通信を止めています。許可を訊かれたら許可してください。訊かれない時は、Codex を一度閉じて codex で開き直します。
Windows の Codex で、何も書き出されない
最初に出る「Set up Agent sandbox to continue」の準備を済ませていません。Codex を開き直し、準備を進めてください。
アーティスト名を書いたら止まった
Suno はアーティスト名を受け付けないため、Emocute Studio が先に止めています。「〇〇っぽく」ではなく、音の特徴(例: ざらついたメンフィスのフォンク、くぐもった鍵盤)で伝えてください。
Suno で、狙ったコード進行にならない
MP3 を Upload Audio で渡しているか確かめてください。文字で書いたコード名は Suno に届きません。渡しているのに合わない時は、Audio Influence が 80 前後か確かめ、何本か生成して選んでください。それでも合わない時の逃がし方は「Suno に渡す」の最後にあります。
Windows(ARM)で参考音源の解析だけができない
ARM 版の Windows では、必要な部品が対応していないため、参考音源の解析と分離だけが使えません。曲づくりそのもの(進行・MP3・Suno 用の文章・歌詞の批評)は使えます。
動きが遅い・AI が大量にファイルを読んでいる
「必要な所だけ読んで」と一言伝えてください。
10ことば
- ターミナル
- 文字を打ってパソコンを動かす画面。Mac は「ターミナル」、Windows は「PowerShell」
- Claude Code
- Anthropic の AI(Claude)を、ターミナルの中で動かす公式の道具
- Codex
- OpenAI の AI(ChatGPT)を、ターミナルの中で動かす公式の道具
- 下敷き(bed)
- コード進行を鍵盤とパッドだけで鳴らした MP3。Suno に進行を伝えるために使います
- Style
- Suno に「どんな音か」を伝える欄。Emocute Studio が厚めに書きます
- Exclude
- Suno に「入れてほしくない音」を伝える欄
- Audio Influence
- 上げた MP3 に、Suno がどれだけ従うかの強さ
- MIDI
- 音の高さと長さだけを記録したファイル。DAW で好きな音色で鳴らせます
- DAW
- Ableton Live・Logic Pro・FL Studio などの音楽制作ソフト
- リハーモナイズ
- 同じ流れのまま、コードを別の響きに置き換える技
11使ってよい範囲
- 作った曲は、販売・配信を含めて自由に使えます。クレジット表記も要りません。
- ご自身の環境に合わせて、中身を書き換えて使えます。
- Emocute Studio そのもの(プログラム・資料)を、人に渡す・売る・公開することはできません。
詳しくは同梱の LICENSE.md をご覧ください。ダウンロードの破損や動作不良などは、購入から14日以内のご連絡で全額返金します。
12お問い合わせ
分からないこと・不具合は [email protected] へ。使っている AI(Claude Code / Codex)とパソコン(Mac / Windows)、出た画面の文字をそのまま添えていただけると、早くお答えできます。